村田きよのかねてからの念願であった、村田組と大島組の合併が行われ、大島竜次の村田組三代目襲名披露が行われた。だが村田組は竜次の母きよが長年苦労して築きあげたものだ。竜次はこの栄誉に甘えることを嫌い、修業のために一人旅にでていった。この大島組の動きに、ライバル花岡興業はいろめきたった。竜次にさんざん煮え湯をのまされ、つもる恨みのある花岡組の桑田は、これを機会に竜次を亡きものにしようと人斬り稼業根津の三兄弟に竜次のあとをつけさせた。また竜次をしたう大島組の若い衆、辰と虎鮫、村田組をわざと破門になり、これまた竜
あてどない修業の旅を続ける大島龍次に、恨みを持つ花岡興行は、人斬り稼業の根津三兄弟をさしむけた。さすがの龍次も三兄弟のあまりに執拗な攻撃に怒りを爆発させて三人を血まつりにあげた。それから数カ月、刑を終えて出所した龍次は、彼を待つ大島組には帰らず、再び旅修業に出発した。そして途中高市にたちよった龍次は、善良な商人をいじめぬいている瀬戸組代貸利助の非道ぶりにみかねて、商人たちをかばった。ところが、この利助の組長虎一は、龍次の亡き父庄三郎の舎弟分であった。そこで龍次はその足で瀬戸組を訪ね、今は病弱の身を床にふせ